文豪 夏目漱石は50歳 で 亡くなったのだと知った時、半世紀生きたのだなあと思い、それが人生として短いとも長いとも思わなかった。50歳にしても100歳にしてもまだまだ先のこと、死を他人事のように思っていた。
リタイヤ、退職、介護、親の死、更年期、自らの体力の衰え・・・50歳、人生の折り返し地点を過ぎて、自分のゴールが見えてくるのがこの年齢なのではないかと思う。
なんともいえぬ風がこころの隙間を通り過ぎるような気持になることもある。
今回紹介する本、斉藤孝氏が50歳を超えた人(または間もなく越そうとしている人たちや、まだまだ先の若者も読んでも良いが、まだ知らんでもいいことかもしれない。)
に、この年代に起こる心象や環境の変化を語りかけてくれている。そして、彼の考える時の過ごし方を、あまり押しつけがましくなく提案している。
誰しも最後は一人で虹の橋を渡るけれど、長いようで短い、短いようで長い、この人生、一緒により充実した時を歩んでいきましょうと、氏は明るい文章をつづっています。
肩をポンポンと優しく叩いて励ましてくれるような本だと思いました。